日にち薬

ほっとメッセージ株式会社プロ・アクティブ 代表 山口哲史(ニックネーム/ガッツ)『日にち薬』

母親の周りのか高田の温かいお気遣いやご支援に、ただただ感謝。

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?

秋とはいえ、夏疲れで心身にストレスが残る時節。
体調の方は大丈夫でしょうか?

9月といえば、敬老の日。
私の父は3年前に80歳で他界し、兵庫(伊丹)の実家には今年で79歳になる母親が一人で暮らしています。

おかげ様で、従兄弟夫婦やその子供や孫に支えられ、また隣近所の方々に本当によくしてもらい、何とか一人で暮らしています。

固いものが噛めない、なかなか眠れない、遠くまで行くのは億劫など、いろいろ心身にガタはきていますが、近くの文化センターで体操したり、歌を唄ったりもしていますので、何とか元気で過ごしています。

時々実家に帰ると、一人でつぶやきながら新聞の中のクロスワードパズルと格闘している母親を見て、「これも大切な認知症予防の習慣やなぁ〜」と納得しています。

そして、一緒に考え、答えをつなぎ、揃った瞬間は二人でにんまりしながらフツフツとした幸せを感じます。

年に数回、嫁さんと娘と4人で馴染みのお店で外食しますが、そこのご主人が母のために、食べやすいフワフワの特製オムライスを作ってくれます。

そんな大将の愛情いっぱいのオムライスを食べながら、嫁さんが我が家のチワワのおもしろ動画を見せたり、母親が私の子供の頃のやんちゃ話を聞かしてくれたり、娘が京都での仕事や暮らしぶりを楽しそうに語ったりなど、とりとめもない話をバカ笑いしながら団らんする・・・。

そんな時にはきっと、亡くなった父親もどこかで一緒に微笑を浮かべながら、見守ってくれているのだと思います。

母親との残り少ない人生の黄金時間。地味だけれども愉快で安心感に満ちた、こういうひと時が一番大切なんだと思います。

そういえば3年前、父親が亡くなってから半年から1年近くの間は、みるみる小さくなり、やつれ、元気を失っている母親でした。

父親が生きている間は父にボヤき小言をいい、私は子供心に「お母さんは、お父さんのこと、ホンマに好きなんかなぁ」と思っていましたが、やはり心の中では支え合い、愛し合っていた「最高の夫」だったんですね。

「私も早く死にたい」みたいな冗談とも本気とも分からないことをポロっとこぼすようなこともありました。

逆の立場で、実際私が年老いて嫁さんに先立たれたとしたら、一気に生きがいや自己尊厳を見失い、すぐに後を追いたいと考えるかもしれません。

されど母は強し。

「日にち薬」とは、よく言ったもので、冒頭に言った従兄弟夫婦やその子、孫。身内のような隣近所の方々。

体操や唄の教室の先生や仲間。

そして、私の大学時代のクラブの同期の同世代の母親仲間など、たくさんの方々から励まし、労い、承認、愛情、感謝などのエネルギーをいっぱいいただいたことで、今では京都まで出かけ、娘と一緒に食事をしたり、お茶を飲んだり、ブラブラしたりするようになるまで元気になりました。


本当に有難い限りです。
私も弟も年老いた母親をひとり残して東京にいますので、本当に母親の周りの方々の温かいお気遣いやご支援には唯々感謝しかありません。

語らい、笑い、触れ合うことで、寂しさや不安を忘れるひと時。そんなささやかな楽しみが薬となって元気を取り戻す。

そんな母親ですが、先日、同じようにご主人を亡くされたばかりの私の同期のお母さんと一緒に食事をし、喫茶店で何時間も話をしてきたと言っていました。

10年近くご主人の介護をされていたそのお母さんとは、私が卒業して以来30年以上、ほぼ毎月のように2人で会って昼ご飯を食べ、コーヒーを飲みながら「大阪のおばちゃん」と化して何時間も粘りながら、よもやま話をしてきました。

そんな2人の空気感がある中で、母親が先に夫を亡くし、今度はそのお母さんがダンナさんを亡くされた・・・。

母親がずっと聞き役にまわり、時折自分の体験したことを話し、それがそのお母さんのなぐさめや労いや元気や勇気などになっていくのだと思います。

そのお母さんは腰も曲がり、杖をついて歩くまで心身が弱ってこられていますが、私の母親と会うのがいつも楽しみなんだと思います。

お互いに年老いながら、何気ない昔話、バカ話をしながら笑い、語らい、触れ合うことで、辛いこと、寂しいこと、不安なこと、煩わしいことなどを忘れ、2人きりの楽しいひと時を過ごす・・・。

何とも微笑ましく素敵なことだと、子供ながらに嬉しいなぁとつくづく思います。

どんな人と出会い、どんな人に囲まれ、どんな気持ちで暮らしていくのかがとても大切。

500年前の一休和尚の狂歌に曰く、「世の中の娘が嫁と花咲いて、嬶(かか)としほんで婆(ばば)と散りゆく」。

女の一生をものの見事に言い表している、さすがの一休さんの歌ではありますが、これは何も女性に限ったことではありませんね。

ただ、“嬶としぼんで婆と散りゆく”時に、どんな人と出会い、どんな人に囲まれ、どんな気持ちで暮らしていくのかがとても大切なことなんだと母親を見てつくづく思います。

人は決して一人では生きていけない・・・。

私の母親も、私に心配をかけまいとして、言えない、言わないこともたくさんあって、本当のところは不安でいっぱいなのかもしれません。

そんな中、グチが言える、わがままが言える、弱みが出せる、本音が言えるなど、そのほんの少しでも言える人がそばにいるだけで、ストレスが減り、元気でいられるのかもしれません。

「私に何かあったら、チューブづけだけにはせんといてね。できるだけ、ピンピンコロリでいきたいから」とは、母親が最近よく言う言葉ですが、「ひ孫の顔を見るまでは生きてもらわんと困るから、もうちょっと頑張ってや」と私も切り返します。

「そやなぁ〜」と微笑み返す母親の顔を見るにつけ、心のどこかで手を合わせ合掌している私がいます。

お母さん、元気でいてくれて、本当にありがとう。

寂しい一人暮らしをさせて申し訳ないけど、これからも子、孫の成長を少しでも長く見守って、元気でいてくださいね。

私は、山口セツ子の息子に生まれてきて本当に良かった。
ありがとう。

Guts





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ガッツプロフィール
山口哲史(ガッツ) 本名:山口哲史 ニックネーム:ガッツ
兵庫県伊丹市出身。関西学院大学商学部卒

リクルートをはじめとする7年間の大企業経験の後、
1991年(株)ファイルド・アクティブ(現プロ・アクティブ)を起業。

起業後16年は、主に、健康・美容・スポーツ分野でユニークな商品開発と根強いファンに支持され続けているファイテン社(チタンテープ、ラクワネックなどの製造、販売元)の中心的販社のリーダーとして、そのブランド認知、拡販に貢献。

その後、平成16年より、抜本的な事業や商品の転換により、現在の『自然とつながり 自然に生きる』というコンセプトの元、自然の温もりや生命が感じられる有機的な商品群を、独創的かつ良心的な開発者などとの出会いの中で、啓蒙、拡販に努め、現在に至る。

社内・社外を問わず、「ガッツ」のニックネームで親しまれ、そのユニークな人柄と独特の感性が、たくさんの魅力的な人や商品・情報を 引きつけ、それを紹介したり、教えたり、つないだりするのが最大の魅力?肩肘張らない性格と中途半端な大阪弁で、妻と娘と2匹のチワワをこよなく愛す、魚座・B型の快男児。